講師 大槻公一 京都産業大学 鳥インフルエンザ研究センター所長
もともとインフルエンザウィルスは、鳥インフルエンザウィルスが祖先で、人・豚・馬・鯨等様々な動物に感染します。鳥(カモ類)は、長い年月のなかでインフルエンザウィルスを保有できるようになりました。
しかし、人はまだインフルエンザウィルスが定着するにいたっておらず、発熱等の症状を引き起こします。
一方、豚の場合は、鳥インフルエンザウィルスからと人からのインフルエンザウィルスからも感染できる受容体(レセプター)で、感染しても重篤な臨床症状を示すことはまれです。
今回の豚インフルエンザは人からのインフルエンザウィルスと鳥からのインフルエンザウィルスが豚に感染し、定着したウィルスです。
この度の新型インフルエンザウィルスの特徴
1.HAの抗原性 スペイン型
2.豚由来のインフルエンザウィルス
3.強い病原性
ウィルス性肺炎を引き起こす。SARS、鳥インフルエンザと同じ。(季節性インフルエンザの場合、ウィルス性肺炎までいかない。)
4.このシーズン変異の可能性は低い
抗体をもった体に感染してはじめて変異を起こす
5.現在、中国・東南アジアに拡散している
6.冬になれば重症化しやすい
5.6月に患者が増加し、通常の季節性のインフルエンザより、はるかに強く、本格的なインフルエンザ流行期までに、患者が増加しつづければ、大変な事態になる。
特徴として、家庭内感染よりも学校感染が多い。症例は少ないが、企業の場合、オフィスよりも喫煙室での感染が多い。喫煙室は密室に近い状態で、5分から10分喫煙し、集団になる可能性が高い(休憩時間の関係)。そのとき喫煙者は、煙でのどがあれ、感染しやすい状態になる。
効果がある。
1.感染者がひろげない
2.飛沫を防御(三層構造で充分、私は1度も感染していません)
また、マスクの消毒に関しては、熱湯消毒で充分。耳に引っ掛けるゴムを摘んで、ゆっくり浸すだけで、インフルエンザウィルスは消毒できます。数回使えうことができます。
※アメリカではマスクが見直され、買占めにまわっています。
1.安全性の高いものを使う
2.塩素はだめ。
脱色性が強すぎる。衣服の消毒は重要なので、塩素の場合、損傷が激しい。
ワクチンは接種しても感染し発病します。しかし、重症化を防ぐので、打ったほうがいい。
発病前からウィルスを出すので、体調に異変を感じたらすぐに休むようにする。
うがいのしすぎは、ノドの粘膜がなくなり、感染しやすくなります。
会社や通勤途中、家庭等どこで感染するかわかりません。個人1人1人が衛生習慣を身につけ、実行してください。